機械反射も、コミュニケーションの取り方のひとつ

中高生と、英検の2次試験対策(英語面接)に一緒に取り組む内に気付いたこと。

練習始めは、2次試験の内容ってどういう意図で作られているんだろうか? これらの問題で、いわゆるコミュニケーションスキルが測れるのだろうか? という内心疑問だらけでした。

何度か繰り返していると、彼女たちの答えがパターン化されていることに驚くやら、合格する為なのでこのやり方がいいのだろうなと納得するやら。コミュニケーションというより、意思をもたない機械反射に見えたのです。

でも、パターン化されていることにより、直球の質問だけでなく少しひねったことを聞かれても、余裕さえ見えるような答えが返ってくるようになりました。

そんな機械的に答えていいのか?と思ってもいましたが、パターン化させることも大事かもと気付いたのです。機械反射の答えに肉付けさえできれば、立派な「自分の意思を反映させられる言葉」になるということなのだと思います。


日本語でも、定型の挨拶文があります。例えば、ビジネスシーンでは「お世話になります」「お疲れ様でした」などごく当たり前に使っていますが、これもある意味パターン化されたコミュニケーション、つまり機械反射と言えるかもしれません。

そう思うと、そういう練習もありなのかなと思えてきました。同じ様なシーンが実生活で起こったときに、彼女たちはすらすらっと言葉が出てくる可能性は高いと思います。


ですが、採点制といえど検定でチェックされていることは、つまるところ、”コミュニケーションがとれるのか=話ができるのかどうか”ということなので、わからなくても黙らない。コワイ顔しない。びっくりしない。ということを最後に伝えました。「わからない」ということを相手に伝えることも会話の一つであり、黙っていることは会話したくないと思われるし、立場が逆だったらそう思うかもしれないよねと話すと、「試験」という緊張の枠から少しだけ「普段の会話に置き換える」ことへと心の持ちようが移行できたようでした。

当日、わからないことも聞かれ、とても緊張したようですが、とにかく黙らず、何か会話を続けようとしたようです。合格の知らせを聞いたときはホッとしました。

これで「コミュニケーションを取る」ということに、少しでも自信が持てるようになったら嬉しいです。

という私も、知らない人とこうやってお話しして、しかも採点されるなんて、嬉しい気分ではありませんし緊張します。中高生、よくがんばったなと思います。


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