日本語と日本文化に見られる曖昧さを英語とその文化との比較から考えてみた
先日のレッスンでの話。
日本語には「一段抜かし(で階段をあがる)」「3日前(一昨昨日)」など、一見すると曖昧な、数字を使った表現がたくさんあります。でも、あまり意思疎通がうまくいかなかったということはありません。それは、話し手と聞き手の間に「始点」の共通認識がはっきりしているからだと思います。
対して、英語にも同じような表現はあります。("run up the stairs two steps at a time" "two days before yesterday / three days ago")ですが、特に日時の場合、「○○日」「○時○分」と数字をはっきりと伝える場合が多いように思います。誤解を避けるためだと思いますが、そこに日本語文化圏と英語文化圏の違いが見える気がします。
以下、レッスン中に交わした意見と私見を書いてみます。
日本語文化圏は、日本語という単一言語(方言を除く)を話す単一民族で構成されています。一方、英語文化圏(アメリカの場合)は多民族で構成されています。それぞれの持って生まれた文化環境は違う民族なので、ひとところに集まると、お互いの常識が違ったり、そこから誤解が生まれたりといったことが起こったに違いありません。ですから、数字にまつわること(特に時間やお金)は誤解がないように、明示する必要があったのかもしれません。
多民族文化と単一民族文化の違いが表れているのではないかと話していたことをもう一つ。
日本には生け花文化がありますが、海外では古代ヨーロッパを起源とするフラワーアレンジメント文化があります。両者の最も違う点は、美しさを表現する形にあるのではないでしょうか。生け花は不等辺三角形で構成するアンバランスさを大切にしています。対して、フラワーアレンジメントは二等辺三角形、正三角形、パラレルで構成する対照形で美しさを表します。(もちろんそれだけではなく、不等辺三角形構造やアシンメトリー構造のものもあります。)
これも、日本文化の曖昧さと海外文化の明白さの表れの一つなのかもしれません。言語を探れば、文化も見えてくると言います。文化を見ると、言語の性質も見えてきます。こういうところから言語の違いを探っていくのもおもしろいと思いました。
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