好きなことでも、時には離れたいこともある
英語を仕事にしている今、英語が嫌になったとかそういうことではないけれど、英語から離れたくなることが時々あります。というか、どの外国語からも距離を置きたくなるときさえあります。英語ニュースを読み、英語ニュースを聞くことは日常のことなのに、自然と読まなくなり聞かなくなることがあるのです。
話は、ずいぶん前のことです。
1年間アメリカに住み始めたとき、夫の仕事が引っ越し理由だったので、アメリカで生活できる!というワクワク感よりも、見知らぬ土地で、しかも外国で1年間も生活していけるのかという不安が先立ちっていました。英語に自信もなかったので、英語しか目にできない耳にできない毎日が苦痛でした。
テレビをつけても英語、街中で何気なく聞こえてくる会話も英語、スーパーに行っても英語、標識も看板も英語。外国に住むという覚悟が足りなかったのかもしれませんが、日本語が無理だというなら、知らない外国語でもいいから英語のない世界に少しでも逃げたいと、始めの頃は何度も思いました。知らない土地で生活環境を整えるのに、インターネットも今よりも普及していなかったので情報も乏しく(ダイヤルアップで接続も一苦労でした)、当たって砕け続けたような新生活のスタートでした。その後は、次第に知人も増え、環境にも慣れ、そこまで追い詰められることはなくなり、外国生活の楽しさもわかり始めた頃に、アメリカ生活は終了しました。
あの頃を思い出すと、半分以上は笑い話ですが、あのしんどい経験のおかげで、外国で住むことの大変さ、人と人とが助け合うことの大切さ、人の温かさを学ぶことができて、貴重な経験をさせてもらったと思っています。
日常生活と同時に、英語を使う生活にも慣れることができたひとつは、息抜きも上手になっていったからだと思います。
たまに行く大学の図書館で日本文学を読むことや、友だちから借りた日本のドラマのビデオを見ることが、毎日の活力でした。英語漬けの毎日で、自分の中にある英語の筒は、すぐに容量いっぱいになっていたのだと思います。英語から離れることによって、また新鮮な気持ちで、英語の世界に戻っていけていたような気がします。
今は、そこまで追い詰められるほどの環境にもいなければ、そこまでの気持ちになることもありませんが、それでも時々、自分の英語筒がいっぱいにならないように、英語から少し離れることもあります。ほんの少し英語との距離を置くことにより、また新しいアイディアや勉強への意欲が湧いてくるのです。逆に言うと、意欲が湧かなくなったり、英語の引き出しが開きにくくなった時は、離れ時だと思ってお休みすることにしています。
ということで、今日は、距離を置く日でした。
また明日から、新たな気持ちでがんばります。
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