サラダが上か、ドレッシングが上か!?
レッスン中によく起こる、これまた、こんがらがってポンの話。
親子丼の「ごはんの上に鶏肉が乗っている」状態を英語で表すと "chicken on rice " です。アイス最中の「アイスの中にお餅がある」状態は "rice cake in ice cream" です。
これを " I eat (私は食べます) " の目的語の位置に持ってくると、
「"I eat rice on chicken." あれ? "I eat chicken on rice." あれあれ?」 と、一気に難易度が上がるようです。そして、大方 "I eat rice on chicken." に落ち着きます。しかし、これでは「鶏肉の上にごはんが乗っている」という意味なのでおかしくなります。
同様に、「上にドレッシングがかかったサラダを食べる」ということを言いたいとき、"I eat dressing on salad." となりますが、 "I eat salad on dressing." (ドレッシングの上にのったサラダを食べる)という間違った文ができあがることがよくあります。
なぜこのようなことが起こるのか、サラダとドレッシングの例で考えてみました。(以下、いつもの様に私見。)
「何を食べましたか?」と聞かれたときに、まず頭に浮かぶのは「サラダを食べました。」という答えだと思います。そこに「あ。そういえばドレッシングがかかっていた。」のように「ドレッシング」という情報が追加されます。そうすると、まず "I ate salad." という英文ができ、そこに "dressing" という追加情報が出てきて、最後に「そうそう、上にかかっていたのよね。」で "on" が付け加えられ、最終的な組み合わせとして、"I ate salad on dressing." というサラダとドレッシングの位置関係がおかしな文(ドレッシングの上にサラダがのっている)になるのではないかと思います。
そこで、位置関係を考え直し、"dressing on salad" に修正できても、 "I ate dressing on salad." には違和感を感じる場合もあると思います。
それは、語のかたまりのとらえ方の違いではないでしょうか。
この文のかたまりは、①"I ate dressing" + "on salad" ではなく、②"I ate" + "dressing on salad" です。前置詞句 (on, in, underなどの前置詞と名詞のまとまったかたまり)は、添え物のようなイメージでとらえられる場合が多いような気がします。例えば、"I go to a restaurant in Naha." というと、前置詞句 "in Naha" は追加された情報であり、主となる部分は "I go to a restaurant" になる。つまり、前置詞句は省略しても文を成立させることができる部分 = 添え物 になっているような気がするのです。先ほどのサラダの文を、このように(①で)とらえると、主となる部分は「ドレッシングを食べた」となり「サラダの上」という情報は添え物になってしまいます。いやいや、私はサラダを食べたのであって、ドレッシングを食べたわけではないのですよ!というところから、違和感を感じてしまうのではないでしょうか。
前置詞句だけではなく、文中のどこが意味的な語のかたまりなのかをつかむことも、文を書いたり読んだりする上で、必要になってくるのではないかと思います。
前置詞句では名詞ではなく前置詞に意味の重きが置かれること、意味の重きが置かれる語の位置には法則があること(例外ももちろんあり)など、文を分解していくと奥深いおもしろさがあるのですが、これはまた後日。
*追記ですが、「サラダの上にドレッシング」という言い方で表現しました。ですがこの場合は、"salad with dressing" の方が自然な表現だと思います。位置関係を表すとき、on, in, under などの前置詞も使いますが、他の表現も探してみると、表現の幅が広がるかもしれません。
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