備忘録:TAM試論集第2号 (1989年8月号)
毛利可信(1989) 「過去現在動詞の心理」『TAM試論集第2号』1-14。
英語史から見る、助動詞の意味の捉え方についての論文を読みました。原義(ある動詞の過去形)から現在形(元の現在形とはイコールではないので「新現在」)になるときに付加的な意味が加わり、それがまた過去形になるとき(新たな過去形なので「新過去」)に、そこにも独立した意味が存在するということを、may, can, must, ought, shall を例に論じられていました。
例)"ought" 〜すべきだ
過去「所有した」→新現在 : owe「借りがある」→新過去 : ought「借りを生じた」→新新現在 : ought 「返す義務がある」→新新過去
助動詞とは、「助」動詞というように、動詞を助ける役目を担っているように見えますが、補助的なものとして使われるのではなく、独立した意味を持っているように思われます。
言葉の変遷というのはとても興味深く、今ごく自然に使っている言葉も、100年後、200年後には全く違う意味で使われる様になっているかもしれません。言葉も意味を知るには、英語史を知ることも必須なのかもしれないと思っています。
語義変化のことにも、簡単に触れられていました。ここは、もう少し詳しく知りたいポイントです。
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