自分の意思か? 天の声か?

作文をするときに、日本語と英語の出発点が違うというところから見えてくる、二つの言語の概念の違いについて、書いてみたいと思います。


「福岡に転勤することになりました。」

を英語にすると、書き出しはどうなるでしょう。[転勤するという事柄]を主語にするのか? それとも[転勤を命じた会社]を主語にするのがいいのか? 


[転勤させられる自分]が主語になります。

→ I will be transferred to Fukuoka.


同じような例をもうひとつ。

「いい考えがある!」  

・・・がある、という表現の "there is" を使う(There is a book on the table.) のがいいのか、それとも、[よい考え]を主語にするのがいいのか? 


こちらも[考えが浮かんだ自分]を主語にします。

→ I have a good idea!


どうして、日本語と英語の主語がこんなにも違うのかということを考えてみました。

それは、責任の所在が、それぞれの言語で違うということです。


日本語では、ある状態が、自分の責任で起こったのではなく、降って湧いたかのようにいう表現が出てくることがたくさんあります。


対して英語では、動作主体をはっきりさせる、つまり責任の所在をはっきりと主語に示します。

以前書いた「相手の服をほめるとき」も同じような例だと思います。

日本語:すてきなお帽子ですね。

英語: I like your hat.

(c.f.【だから、ほめるときも英語と日本語では言い方が違う。】https://eigonandemoya.amebaownd.com/posts/967173)


これも、文化的背景の違いから来る言語感覚の違いかもしれません。
英語で作文するとき、書き出しに困ったら、言いたいことの責任主体が誰かを考えると、主語を見つけやすくなるのではないかと思います。


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