距離を取ることが丁寧さにつながる
日本語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語という、相手と自分との関係により、それぞれ使い分けがあります。英語には、敬語はないというような言われ方をします。確かに、日本語の「言う」が「おっしゃる」になるように、単語自体が変化することはありません。ですが、目上の人にはより丁寧な表現を使ったり、目下の人には目上の人には使えない強制的な表現を使ったりすることもままあります。
丁寧な表現の例:
Would you do me a favor? ( > Will you do me a favor? )
will よりも would (will の過去形)を使った方が「丁寧な表現」になるというのは、参考書にもしばしば書かれています。
ですが、「現在」頼んでいるにも関わらず、「過去形」を使うことが丁寧になるということが、ずっと不思議でした。その謎が解決されたので、忘れないために記したいと思います。
英語の丁寧表現は、直接的に言わない。つまり、時制や視点を言いたいことから離す(距離を取る)ことによって、婉曲的に表現する。それが丁寧表現となる。・・・のだそうです。
先ほどの例だと、現在形を使うところを、あえて過去形を使うことにより、現在という時間軸から距離を取る=婉曲さを出す、ということです。
距離を取るというのは、直接的に話すことではなく、言葉を濁すという日本語によくある現象と似ているのかもしれません。言葉を話す人間の心理的なものは、言語によらず共通しているという証しなのではないでしょうか。
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