言語習得の過程を目で見るという感動

3歳頃になると、言語を習得する際に頭の中で規則を作るようになると言われています。その規則を全てにあてはめようとするあまり、間違った活用をするという過程を「規則の過剰適用」と呼ぶそうです。

英語を母語とする場合に、よく出される例として、過去形の不規則活用が挙げられます。

インプット量が増えてくると、子どもは独自に【動詞を使って過去の話をするには動詞の語尾に"-ed"をつける】と頭の中で規則をつくるのです。ところが、動詞には不規則活用もあります。それを知らず、全ての動詞に先ほどの規則を適用するので、"I goed to the park." (= I went to the park.)のような文ができあがるというものです。


先日、中学生のレッスンで、同じ事が起こりました。規則活用の練習をたくさん行っていたため、自由に英作文してみようという時に "I goed to school yesterday." という文を作ったのです。間違いを正すべきなのですが、本で読んだ理論をそのまま現実として見たことに思わず感動して、「すばらしい間違いだね!」と褒めちぎってしまいました。(本人は、訳わからず)

その後彼女は、一般動詞の過去形の疑問文を作る際に、"Did she play tennis?" と作るべきところを"Did she play? あれ?plays?"と混乱していました。これまた「規則の過剰適用」の一つです。 

言語を習得する場合、母語であろうと第二言語であろうと、同じ過程を通るのだとすると、とてもおもしろい現象が多々見られるのかもしれません。

理論の過程は、現場で見られる現象と違うと批判されることもありますが、やはり理論を知っていることによって、様々な現象に対応できると思うのです。


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