「ブタ」は"pork"? "pig"?

英語史に関連して。

英語には「ブタ(pork / pig)」「ウシ(beef / cow)」「ヒツジ(mutton / sheep)」のように、同じものを指すのに二つ(以上)の単語があるものが、いくつかあります。

例えば、pork と pig を調べてみました(出典:OALD)。

pork → flesh of a pig eaten as food (uncountable):食料としての豚肉

pig → domestic or wild animal with short legs, cloven hooves and a broad blunt snout. (countable) :短い足、割れた蹄、突き出た鼻を持った飼いまたは野生の動物  /  its flesh as meat (uncountable) :食肉としての肉


どうしてこのような違いが起こるのかというと、ルーツが違うのだそうです。

まず、分類としてみると、pork / beef / mutton のように食肉として表されるものと、pig / cow (ox) / sheep のように動物の名称として表されるものに分けられます。中英語の時代、アングロサクソン人(英語)の住んでいたブリテン島(アングロ人の土地→England)は、フランス人の支配下に置かれ、フランス語の語彙が多く入ってきたそうです。その際、支配階級→フランス人、平民階級→アングロサクソン人という階級社会の構図ができ、支配階級は肉を食し、平民階級は肉を育てるという分化が起こったようです。そのため、食肉にはフランス語起源の pork / beef / mutton が、動物には英語の pig / cow / sheep が使われ、今でもそれらの単語が使われているということなのだそうです。


余談ですが、日本語は動物を指す場合は「豚」、食肉を指す場合は「豚肉」となり、「肉」をつけることで意図を分けているのだと考えると、日本語は便利だなと思わされます。


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