英語学習は決してずっとキラキラしていない
最近、小学生ーちょっぴり反抗期ーの男の子のレッスン中の口癖が「めんどくさい」「楽しくない」になっていました。お母さんに聞いてみると、普段からしょっちゅう口をついて出てくるので、お父さんからも注意されているそうでした。
その生徒くんとは、一緒に英語を始めてもうすぐ一年になります。始めは、目新しかったこと、知らないことができること、わからないことがわかることがとても楽しかったのでしょう。ですが徐々に、何度繰り返しても覚えられないこと、覚えていたはずのことが思い出せないことが増えてきたことが、その口癖の原因の一つなのではないかと思います。彼は、どちらかというと、少しの努力で力をつけることができるタイプなので、できないことがとても大きな壁に感じ始めていたのかもしれません。
インプット量も増えるし、レベルも上がってくるので、それは当然のことです。年齢は関係なく、語学学習は楽しい面ばかりではありません。少しの進歩で満足できていた初期段階とは違い、どんどん達成感を感じにくくなってくるのは、誰しもが通る道だと思います。
その彼が先日、レッスン中に核心を突く質問をしてきました。「どうして世界中で日本語だけでやっていけないんだろう? 英語とか他の言葉なんてなかったらいいのに。」と言うので、「でも英語をやらなくても、いいんよ。日本語だけでもずっと生活している人、いっぱいいるよ。英語は、楽しくないしめんどくさいこといっぱいあるけど、それでもやってみる?」と聞くと、彼なりに考えていました。「めんどうなことは楽しくないし、めんどくさいからやめちゃうのもいいけど、めんどくさいことをがんばったら、それだけ楽しいこともあるよ。でも、めんどくさいって思って続けるくらいなら、やめてもいいんだよ。」と話すと、答えは「やっぱりやる。」でした。それからは、「めんどくさい」「楽しくない」もなしに、ぴしっとがんばっています。彼の中で、何かの壁を超えたのかもしれません。
世間にあふれている英語教材は、楽しい面を全面に打ち出したものが多く出されています。それらは、英語への興味付け、第一印象としては、とても良いものだと思います。ですが、英語とのつきあいが深まるにつれ、そんなキラキラした楽しいだけのものがずっと続くわけではありません。そこに気付いたときが、英語学習を辞めるのか続けるのか、野球をするのか水泳をするのかと同じように、何をするかの選択の一つとして、今後どうしたいのか考える時だと思います。どちらの選択が正解というわけではなく、例えそこで英語を辞めても人生の楽しさを失うわけでもありません。ですが、「英語って楽しい」だけの印象が消えてしまったとき、自分がこれからどのくらい英語と向き合いたいのか、向き合う気合いがあるのか見つめ直すと、そこからの英語学習のモチベーションに繋がっていくと思います。
「めんどくさい」ことをなんとなくずっと続けていては、時間がもったいないですから。これからのその生徒くんの成長も楽しみです。
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