和製英単語と英単語を同じものだと、どう判断するかという疑問
土曜日のレッスンで、動物の英単語を練習していました。その日のレッスンには、英語に初めて触れる男の子(5歳)が来ていました。
その男の子は、英語がわからないなりにも一生懸命に参加してくれ、"dog(犬)"を「いんぐゎー(沖縄弁の「小犬」)」、"sheep(羊)"を「ひーじゃー(沖縄弁の「山羊」、そもそもが違う!)」と大きな声で答えてくれていました。はきはきと答えてくれる姿がとてもかわいらしかったです。彼の姿を見て、頭の中で「 "dog"=「犬」=「いんぐゎー」という公式ができているのだろう、どのようにこのような答えができたのだろうと思いました。
以前、アメリカに住んでいる日本人の男の子(おそらく4、5歳)が、キンポウゲの花を "buttercup" と見事に発音していたのを聞きました。彼のお母さんが、「バターカップって言うんだね〜。」というと、「違うよ、buttercupだよ。」と答えていました。再度、お母さんが「そうだよ、バターカップだよ。」と言っても、「違う!! buttercupだもん。」と答えていたのです。お母さんの頭の中では、"buttercup" と「バターカップ」は同じものですが、男の子の頭の中では違うものとして認識されているということでしょう。
確かに、buttercupとバターカップの音は、全く同じではありません。ですが、ある程度の年齢の日本語母語話者は、いつのまにか、それらを同じものを指す単語として認識しています。apple とアップルも、音としてはかけ離れていますが、「あのね、音は違うんだけど、同じものなんだよ」と教えられることは(ほぼ?)ないものの、違うものとして捉えている日本語母語話者はおそらくいないと思います。
沖縄では、英語発音が再現されたまま和製英語になったものが、いくつかあります。"beach party"=「ビーチパーリィー」、"water"=「ワーラ(ァ)ー」、"tuna(シーチキン)"=「トゥナ」などです。初めて聞いたときには、こちらの方が、カタカナ語としての自然な成り立ちではないかと思えました。
和製英(単)語というものは、英語の発音が変化してできたもの、または発音がそのまま残ったものの二種類あると考えると、発音が変化したものと、そのままの発音が残ったもの、その単語の違いにも興味深いものがあります。
また、和製英単語が日本語になっていくそれぞれの過程を、もし知ることができれば、それは英語と日本語の発音の違いを知るヒントにもなるのではないかと思います。
逆に、日本語母語話者が、音が変化した和製英単語を、何歳くらいで、どのように、元の英単語と同じ意味として認識するのか、それがはっきりわかるとおもしろいと思います。
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