いつも言葉がそばにいるということ

この2年余り、新型コロナ感染症の影響による突然の休校、急な学級閉鎖、楽しみにしていた行事の中止により、子どもたちの心は日に日に元気を失っていくことを感じてきました。しかし、今年度に入り、学校の休校や学級閉鎖の回数も減り、行事も復活してきたことで、今までの活気が戻ってきている気がします。

この2年ほど、休校などに伴って英語レッスンを飛び飛びで参加してくれていた子たちも、ほぼお休みがなくなりました。レッスンのお休み理由も「行事のため」とか「家族の用事で」という、今まではごく当たり前のものが増え、こちらも心軽くお休みに対するお返事ができるようになりました。


そして、継続してレッスンを受けてくれるというのは、実力ももちろん本人のやる気に、ものすごく大きな力を与えてくれるものだと実感しています。この3ヶ月ほど、子どもたちの伸びを今まで以上に感じています。

小学生の生徒ちゃんはびっくりするような気づきを、中学生の生徒ちゃんは学校の授業で知った小さな疑問を、高校生の生徒ちゃんは日本語との違いに感じたことを、そして大学生や大人の生徒さんは日常生活から感じた英語の疑問や英語学習についての思いを、ぶつけてきてくれます。私にとってその瞬間はかけがえなく、とてもきらきらしたものに感じられます。そして、その輝いた時間が、ここのところ増えている気がして、とても嬉しく思っています。


昨日は、小学校2年生の女の子が、「sunnyは『晴れの(日)』だったら、sunが『お日さま』だから、y がついたら『〜の』になるの? じゃあ、hot も cold もy つけちゃおうよ。」と言って、自分のテキストに hoty, coldy,  warmy,  cooly と、y を書き込んでいました。

彼女の中では、hot に形容詞の概念はないようですが、 y をつけると形容詞化することが、なんとなくわかったのだと思います。 ただただ脱帽です。


先日は、小学校5年生の男の子たちと、三人称単数が主語のときに一般動詞現在形にsがつくあたりを練習していました。問題文の主語が the movie なので代名詞に変えないといけないよね?何になる?と考えてもらっていました。うーんと悩んでいたので、ヒントを交えつつ、ほらほら it だよ〜と言うと、目をまんまるくして「え?大丈夫?」と聞かれました。(このおもしろさは、文字では表せない! でも記しておきたい!)

彼の中では、「映画」は「映画」であり、「それ」などという(少しぞんざいな・・・と感じたのでしょうか?)言葉に置き換えるなんて、なんてひどいんだ!という気持ちだったようです。ただ、その反応が、嬉しいような おかしいような びっくりするような衝撃的なもので、私はしばらく笑いが止まりませんでした。(本人ぽかーん。)


毎日毎日、書き留めておけばよかった!と悔やむほどのおもしろい疑問と感想が出てきます。それは、私たちが言葉を使っているという何よりの証拠なのだと思います。言葉は身近にありすぎて、学ぶ対象としての存在を忘れがちかもしれませんが、使えば使うほど、そして他言語と比べれば比べるほど、不思議に思うこと、おもしろさに気づくことが出てくるのではないかと思います。

他のものを習得するのと同じように、言葉を学ぶ上でも、近道はありません。「英語って(知ってる言葉もあるし)、さらに知るとおもしろいし、取り組みやすい。」と思っていた子も思わなかった子も、ほぼ全員、あれ?こんなはずではなかったと、あるとき壁にぶち当たります。ただそこで壁を突破する際に、ほぼ全員がおもしろい気づきや新たな発見をして、よし!もう少しがんばってみよう!と、また新たな段階に挑戦しているような気がします。


ゆっくりでも一歩ずつ、言葉の世界を広げてほしいなと思いながら、今日も一緒に歩みを進めたいと思います。

言葉はいつでもそばにいるけれど、その存在を大切に扱いたいものです。


英語レッスン たまに翻訳「えいごなんでも屋」

言葉は気持ちを表します。 普段使う言葉だけでなく、英語でも気持ちを表してみませんか。 気持ちを言葉にするお手伝いします。

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