音節を体感する
小学生兄弟のレッスンでのことです。レッスン中はいつも、キャッキャ笑ったり、けんかし合ったり、とにかく賑やかな二人ですが、いきなり小声でヒソヒソと話し始めたので、なに?なに?と聞くと、にやりと笑っていました。
その時、フォニックスの本を読む練習をしていたのですが、ひそひそ話をよく聞くと「のびたが」「ドラえもんが」という声が聞こえてきたので、あ、替え歌ならぬ替え文をしたなと思い、大きな声で言ってみてというと、おもしろい答えをしてくれました。
そのときに読んでいた1文が、こちらです。
" A lion wants a lollipop."
彼らの耳には、こう聞こえていたようです。
「ジャイアン ....(ごにょごにょ) のびた。」
A(聞こえてない)lion(=ジャイアン) wants(よく知ってるoneみたいな?)a(聞こえてない)lollipop (= のびた).
1. 弱音は聞こえていない(ここでいう a )
2. よくわからない音は、知っている単語に置き換える
3. 音節は、身体で感じる!!!
英語と日本語は、音節が違います。1音節は、日本語は「子音+母音」が主なのに対して、英語は「母音を含む音のまとまり」を表します。
異なる音節の型を持つ2つの言語に対して、共通点を無意識に感じるなんて、すごい!と感心しました。その後は、私が興奮気味に「しずかちゃんは当てはめられる? 3音節だから、しずかもスネ夫も、lollipopのところに、いけるよね? でも、(lollipopとのび太は母音が似ているのに対して)しずかとスネ夫は母音が違うから、変かな〜」とか、ぶつぶつ言っているのに対して、二人は「じゃぁ、スネ夫は?」「いや、オレ、あいつキライなんだよね。」とか脱線し始めていましたが。
人には、理屈だけではなく、感覚的に言語を捉える力があるのだと思います。言語の発達段階で、言語を使って何かをする必要性を、人が常に感じてきたという歴史があるからだと思います。
個々が持っている感覚に理論を加えて、さらなる言語習得に繋げられるようにできたらいいなと改めて思わされたエピソードでした。
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