形に残らなくても大切なもの
公立高校の卒業式が行われた今日、卒業式を迎えた生徒ちゃんたちにおめでとうを伝え、私にとってもひとつの区切りを感じる日となりました。
話し言葉は、書き言葉とは違い、形には残らないので、一瞬で消えゆくように感じます。
レッスン中も、メモを熱心にとる生徒ちゃん、全くとらない生徒ちゃん、こだわりのメモの取り方がある生徒ちゃんなど、十人十色の様子を見ているとおもしろいなと思います。
ある中三の生徒ちゃんは、レッスン中に、ここぞという時以外、あまりメモを取りません。以前は、あまりにメモをとらない様子に少し不安を感じることもありましたが、彼女に対して、同じ話をしたり、同じミスを指摘することがほぼないことから、メモをとらなくても大丈夫なのだと最近は思うようになりました。納得してから返事をするような時もあるので、頭の中にメモをしているのだろうと思います。
いつのことか「大事な話ほど心で聞きなさい」と言われたことがあります。
メモをすることに気を取られたり、あとでメモを見返せば良いと思ったりして、聞くことがおろそかになってしまうからだということだそうです。
聞いた言葉を全て形に残すことが大切なのではなく、心にどれだけの言葉を留められるのかが大切になるのでしょう。そのときの状態で、留められる言葉の内容も量も変わってくるのかもしれませんが、そのとき心にひっかかった言葉が、ずっと覚えていられる、大切にできるものになるのだと思います。
今日卒業の生徒ちゃんたちと過ごした日々の中でも、大切に温めておきたい言葉や思い出が、たくさんあります。それらは、形には残っていないけれど、私の心の中にはこれからも残っていくものだろうなと思うと、とても愛おしく思います。
新天地でも、元気に楽しく、日々過ごしてくれることを祈っています。
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