やはり言語学

大学で言語学を学びました。

それほど英語に熱心ではなかった当時の私が、心底おもしろいと思った分野でした。音声の分析や語形成はとても興味深く、なかでも文法構造を理論で解析する統語論を知って、英語に対する見方が変わりました。文の成り立ちを、樹形図を書いて分析し、語を倒置させ、また樹形図を使って分析する。それまで「文法なんてまる覚え」(しかも、覚えきれない厄介なもの)くらいにしか思っていなかったのに、理論を知ってから、文法を納得して理解することができたと言っても過言ではありません。


そのときは、おもしろい!で終わっていた言語学でしたが、今になってとても役に立っています。

大人の英語レッスンでは、英文法のお話をすると、感想を始めとした様々な疑問点をお話してくださいます。「英語は久しぶりです」とか、「中学校の時に挫折しました」といった方々は、純粋な疑問をぶつけてこられるのですが、これがドキッとするほど鋭いのです。「英語ではそういうルールなんです」とお答えしてしまえばそうなのですが、言語学の理論があれば、わかりやすく説明できることに気づき、やはり理論は大切だと実感しています。


例えば、"I play tennis." の文ですが、疑問文では "Do you play tennis?" となります。疑問文の do は、肯定文から変換させる時にどこかから飛んできたのではなく、元々存在していた "I do play tennis." の do が動いたものです。この do は、本動詞 play の時制や人称をコントロールする助動詞の役割をしています。

先日は、この do が play の後ろに来ることはできないのかとの質問を受けました。なるほど! でも、"I play tennis." を樹形図にすると、[IP I[I’ do[VP[V’
play[NP tennis] ]]]]となり、この語順でしか存在できないのです。


「言語学」と言うと堅苦しく聞こえますが、「文法パズルの攻略法」と思うと、少し親しみが湧く気がします。忘れかけている知識を思い出し、「さらに優しい攻略法」として説明できるように、近々、もう一度、勉強し直したいと思っています。


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