音の再現

今まで知らなかった言葉を口に出すとき、耳にした音を頭で反芻し、その音を再現するという作業が行われていることと思います。言葉を覚えたての子どもは母親や父親の真似をし、外国語学習者は音声教材や教師の真似をし、口の動きや音の出し方を工夫しながら、新しい言葉を習得していっていることと思います。

耳にしてから口に出すまでの時間は、恥ずかしがるタイプか、間違いを恐れず挑戦するタイプかなどの、その人それぞれの性格にもよって違ってくるとは思います。ただし、共通して言えるのは、初めて新しい言葉を発するときには、自分の知っている音をヒントに再現しているということではないでしょうか。


以前、幼稚園児がCD教材の "Tell me." の部分を「ちゃーみー」と発音していたのを、驚きながら聞いたことがあります。テレビでよく出てくる "Check it up." が「ちぇきらっ」という言葉として確立しています。これらも同じような現象かもしれません。


今日の大人レッスンでは、CDを使ってリスニングの練習をしていました。その方は、聞き取る力が鋭く、音の高低や同じような音を再現することがとても上手な方です。

今日もいつものようにCDを聞いていたところ、"Who's ..........?" という一文が出てきました。どのように聞こえたか尋ねたら、"He's .............?" に聞こえるというお答えでした。質問文ですよとヒントを出しても、文頭は He にしか聞こえないようなのです。who という語を知らないということではありません。インプット量が who より he の方が多いので、そちらに引っ張られた結果ではないかと思います。


いろいろな単語や文章に触れる頻度を同じにするということは、絶対にできません。インプット量の多いもの、つまり、よく耳や目にするものはより深く記憶に残り、アウトプット、つまり作文や話しをしたりするときに引き出しやすいというのは当然のことだと思います。私自身も、より引き出しやすい言葉が偏っていることをしばしば感じます。

その偏りをできるだけ少なくするための「効果的対策」というものはなく、ただただ地道にインプット量を増やすしかないのだろうと思います。

何事もそうであるように、語学の道も一歩からということなのでしょう。


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