「ティッシュ」は "tissue" か
花粉症の季節になりました。韓国人のお友だちに聞くと、韓国では「花粉症」という概念はないそうです。沖縄では、杉花粉の被害はありませんが、気温の変化や空気中の飛来物質のおかげで、ここのところティッシュの欠かせない生活です。
ところで、日本語の「ティッシュ」ですが、英語では "tissue" では意味が通じにくいと思います。"tissue" は「(生理)組織」という意味で主に使われる単語です。和英辞書で「ティッシュ」を引くと "facial tissue" と出てきます。"tissue paper" は和製英語のようです。
カナダにホームステイしたとき、ホストファミリーに「ティッシュをください」と言ったことがありました。ティッシュという英単語がわからず、(ティッシュってカタカナだし、英語がそのまま日本語になった言葉かも)と思い、tissue という言葉を使ったところ、当然ながら、全くわかってもらえませんでした。どうにかこうにか説明をすると、"Ah!! Kleenex!!!" と言われました。なるほど。「クリネックス」という固有名詞が、そのまま一般名詞になったということなのかと、とても驚きました。
それから後、アメリカでも"Kleenex"というと、簡単にティッシュという意味で理解してもらえて、内心おもしろがっていました。
日本語でも、商品名が一般名詞になったものは、たくさんあると思います。例えば、絆創膏。沖縄では「リバテープ」と呼ぶ人も多いようです。私は「バンドエイド」と呼んでいます。他にも、電子オルガンは「エレクトーン」が定着しています。父は長年、コピーのことを「ゼロックス」と呼んでいました。
他の言葉でもこういった現象はあるのだろうと思います。
固有名詞が一般名詞化されるということは、その商品名が世間に深く浸透した証しであり、また、世間の流れが新しい名詞を生むという、ある意味ものすごい現象なのだと思います。
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