間違いを通過点に

言葉の法則(=文法)を知ると、それに則って新しい単語を活用させる。というのは、何語であれ、言葉を習得する上でのプロセスだと思います。


例えば、英語の否定文、現在形(一般動詞)の場合。

 don't を文中に加えるという文法を習ったとします。すると、その文法通りに、主語が変わってもdon't を加えるのだと理解し、文を作るようになります。

"I don't play the violin." → "You don't play the violin."

次の段階では "He don't play the violin." という文ができあがります。

主語 he は三人称単数なので、動詞にsが必要です。なので、 "He doesn't play the violin." とならなければいけません。そこで、周りの人がモデルを示し、don't ではなく doesn't を使う形も覚えていくという段階を経て、否定文を習得するのだと思います。


もう一つの例え、英語の過去形(一般動詞)の場合。

"I watch TV." は過去形にすると "I watched TV." となります。(動詞の原形にedをつけます。)これは、watch が規則変化をする動詞だからです。規則変化する他の動詞は、"like" "cook" "wash" などです。

次の段階として、不規則変化する動詞が出てきた場合、例えば "I go to school." は、"I goes to school." という文になると思います。(実際は "I went to school." となります。)

こちらも、正しい文(動詞変化)を教えてもらい、規則動詞と不規則動詞の両方を覚えていき、過去形が作れるようになってくるのだと思います。


これらはほんの一例です。

言語を習得するというのは、母語であれ、第二言語であれ、同じような過程を通ると言われています。英語ネイティブスピーカーが子どもの時も、このような間違いをし、それを周りの大人たち(多くの場合は母親)から正され、文法の例外部分を知り、正しい言い回しを覚えていくそうです。英語を外国語としている人たちも、同じような間違いをし、それを修正してもらって習得していくそうです。

このような間違いをするのは、頭の中で基本的な文法知識が定着している証拠と言えると思います。そして、「間違い」は、単なる「失敗」ではなく、「文法習得のための重要な過程のひとつ」に過ぎないのだと思います。そう考えると、たくさん間違うことも悪いことではないと思えてきます。

レッスンの中でも、間違いを指摘することはありますが、次に繋がる明るい発見だと思ってもらえたらと思います。


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