童謡“森のくまさん”で気づいた日英の違い
先日、音楽の先生をしているお友だちに、日本人にもアメリカ人にも馴染みのある童謡はないかと聞かれました。日本人は音楽の授業で拍子をとることを練習する一方で、アメリカ人は拍子をとる練習をあまりしないようで、拍子をとるのが苦手な人が多いのだそうです。集団で揃って体を動かすときには、拍子をとらなくては動きにばらつきが出るので、拍子をとる練習を童謡を使ってしたいとのことでした。
童謡のメロディーは同じでも、歌詞が英語から忠実に翻訳されて日本語になったものと、少しかけ離れたものがあります。そんな比較もおもしろいかもしれません。
「森のくまさん」の歌詞は、日本語と英語で、似通っているようないないような歌詞になっています。
日本語版の冒頭「くまさんの 言うことにゃ」で感じた日本語と英語の比較のことを書きたいと思います。
「くまさんの 言うことにゃ」を英訳すると、「〜によると」の "according to 〜" を使って "according to Kuma san, ..." とする日本語話者は多いと思います。残念ながら、この表現を英語のニュースなどで見聞きすることはあまりありません。では、同じ意味でどう使われているかというと、"Kuma san says that ..." が圧倒的に多いと思います。
どちらが良いとか、どちらが間違っているとか、そういうことではありません。
日本語と英語の言葉の使い方の違いだと思います。
日本語は句のかたまりで、英語は節のかたまりで、使われることが多いと思われます。
ざっくり言うと、句は、文中である一つの意味をしめる単語のまとまりのことで、節は、文を作る述語(動詞)を含むまとまりのことです。
受験英語にも頻出の句を挙げてみたいと思います。そして、これを節にしてみました。
"according to ..." (〜によると) → "... says that " (〜が言うことには)
"due to ..." / "owing to ..." (〜のために) → " , because ..." (〜という理由で)
"thanks to ..." (〜のおかげで) → " ... enables " (〜がさせてくれた)
かっこ内の日本語を比較してもわかる通り、日本語のニュースでは左側の句の形をよく見ると思います。なので、日本語話者は英作文するときに、句の形を好んで使うのかもしれません。
冒頭の、音楽の拍子の話もそうですが、作文の書き方一つ取っても、お国柄や言語の違いが表れていて、やはり言語比較はおもしろいと思います。
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