言葉が先か? 思考が先か?
韓国語には「花粉症」という言葉がないそうです。春先に、鼻をぐずぐず言わせていたら、それは「アレルギー症状」というそうです。つまり、花粉が原因というわけではなく、年中あるアレルギー症状の内のひとつという見方をするということです。
サピア=ウォーフの仮説のひとつに、言語決定論(強い仮説)というものがあります。
それは、言語が思考を決めるのか、思考が言語を決めるのかという議論の中で、「人間の思考は言語に規定される」としたものです。
先ほどの花粉症の例で見てみます。
何らかの現象(春先に起こる花粉によるアレルギー症状)→それに対する言語表現(「花粉症」)→その概念(春先にアレルギー症状が起こったら、これは花粉症だと思う)が決定する。
沖縄では、めったなことでは雪が降りません。
つまり、沖縄では雪は「雪」であり、「粉雪」「どか雪」「細雪」などの細かい表現方法はありません。いろいろな種類の雪が降るという現象がないので、その概念がないからです。
今住んでいる名護市は「あけみお」のまちと呼ばれています。意味は「夜明けの美しい静かな入り江の青々とした水の流れ、海のかなたから人々に豊穣をもたらす流れであり、海の外へも広がりゆく流れ」だそうです。これも、この景色があるこの地だからこそ存在する美しい言葉と言えると思います。
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