英文法は記憶勝負ではない
外国語として学ぶ英語は暗記科目ではありません。
「英語は公式にあてはめたらできるようになる」とか、「英語は覚えさえすればなんとかなる」などというキャッチフレーズを見かけることもありますが、決してそんなことはありません。言葉は、そんな単純なものではないからです。
もちろん、単語は覚えなければいけません。英語 "apple" が母語(日本語)「リンゴ」、"eat" が「食べる」などと記憶していなければ、話の内容を正確に理解することは難しいと思います。
では、句動詞はどうでしょうか?
例えば " think of A as B" 「BのことをAと考える、みなす」という句動詞は、参考書でも見かけるものです。(例)I think of her as a friend. (私は彼女のことを友だちと思っている。)" think = 考える" "as = 〜として" という単語さえ覚えていれば、この句動詞は訳せる、または作文できるはずなのです。
句動詞はすべて覚えていなくても良いと言えると思います。
次に、文法はどうでしょうか?
文法には、覚えなければいけない(ように思われる)難しそうな言葉がたくさんあります。
もちろん、覚えるべきものもあります。例えば、よく聞く文法用語といえば、「現在形」「副詞」「be動詞」「to不定詞」など、時制や品詞、日本語にはない概念の文構造に必要な部位などが挙げられると思います。これらは、『なぜ beautifully(美しく)という品詞を「副詞」と呼ぶのか。そもそも副詞の「副」とはなんなのか。』など考えるものではありません。リンゴを「リンゴ」と呼ぶように、そういう呼び名がついているのです。
ですが、すべての文法項目を覚えなくてはいけないということはないと思うのです。例えば、「be動詞の否定文」という項目があったとします。"I am not ....." "You are not ......" "He is not ......" "She is not ......" "It is not ......" ・・・とすべて覚える必要はありません。【英語の文構造とは 「主語+動詞+・・・」であり、否定文にするには動詞の後ろに not をつける】と理解すれば(この説明はかなりおおざっぱですが)、これらの文は作れるはずなのです。
この文法項目を使いこなすのに必要なのは、暗記することでも公式に当てはめることでもなく、理解すること(理解して覚える)ではないでしょうか。もちろん、言葉は生き物なので、例外もたくさんあり、自分の理解したことがうまく使いこなせないときも多々あります。だからこそ、ひとつひとつかみくだいて、理解して、自分のものにしていく過程が必要なのだと思います。時間がかかるように見えて、これが確実な方法だと思います。
英語だけではなく何事にしても、なにかを自分のものにするには「覚えるべきこと」「理解すべきこと」の区別が必要なのではないでしょうか。うまく場合分けしていくと、マスターしやすいことが増えるような気がします。
*************
「えいごなんでも屋」お問い合わせ先
Email : harmonious_aroma@yahoo.co.jp
Facebook : www.facebook.com/eigonandemoya(えいごなんでも屋)
Twitter : 中村和香子 @eigonandemoya
0コメント