だから、ほめるときも英語と日本語では言い方が違う。
昨日のブログに関連して。
【英語の使われる背景→個人社会】に対して、【日本語の使われる背景→ムラ社会】という構図(あくまで私見)に基づくと、「相手をほめる」という行為についても、言語によっ表現方法が違うのも納得できる気がします。
例① お友だちのお洋服をほめるとき。
日:「ステキなお洋服ですね。」(主語は「洋服」であり、相対的評価の感想)
英:"I like your shirt." (主語は「私」であり、絶対的評価の感想)
例② 家族を紹介するとき
日:「うちの愚息が・・・」(謙遜して、身内について建前上けなす)
英:"This is my beautiful daughter." (自慢の娘は思ったまま自慢する)
日本語では、周りとの調和を考慮しているからこその謙遜の表現がたくさんあります。ある物に対する自分の評価と世間的評価とのバランスを取って、ほめ言葉として発しているのではないでしょうか。つまり服の例だと、自分一人の感想ではなく、世間的に見ても良いと思うことから、服を主語にしてほめているのだと思います。
それに対して英語は、周りとの調和よりも、個々人の感想が重要視されることが多いと思います。つまり上の例では、全体的な評価はよくわからないけど、私はそれを良いと思うから良いという気持ちを表すというのが表現になっているのだと思います。なので、ほめるときも「(他の誰でもない)私」が主語になっているのでしょう。
日本語と英語の違いが、はっきり出ているようです。
あるものについて良いと思うポイントは、当然、その人それぞれ違います。
しかし、言葉や国が違っても、自分が良いと思っているものを、相手にも同じように好感を持ってもらえると嬉しいのではないでしょうか。「相手(の持ち物)をほめる」という行動は、初対面やあまりよく知らない相手の警戒心を解く第一歩にもなりえると思います。気持ちが和めば、会話も弾むのは当然のことです。ほめる一言が会話の糸口をつかむとなり、「どこで買ったの?」「こんなのもおすすめよ」など話が発展していくかもしれません。
「相手のことをどうやってほめようか」と堅く考えるのではなく、まずは "I like your ..." (それ好きよ。いいね。)という軽い気持ちで、言葉かけしてみるのはいかがでしょうか。
*************
「えいごなんでも屋」お問い合わせ先
Email : harmonious_aroma@yahoo.co.jp
Facebook : www.facebook.com/eigonandemoya(えいごなんでも屋)
Twitter : 中村和香子 @eigonandemoya
0コメント